ヒーローのパンチとビームは暴行罪? 知らないと怪獣に訴えられる可能性も
自分好み· 9日前

ヒーローのパンチとビームは暴行罪? 知らないと怪獣に訴えられる可能性も

ヒーローのパンチとビームは暴行罪? 知らないと怪獣に訴えられる可能性も ヒーローのパンチとビームは暴行罪? 知らないと怪獣に訴えられる可能性も

(Deagreez/istock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

「みなさーん! こーんにーちはー!」

今回は、ヒーローショーのように登場してみました。レイ法律事務所の弁護士・阪口采香です。

じつは私、役者活動もしておりまして、岡山県井原市のご当地ヒーロー「天神獅子イバラスター」のMCのお姉さん、「青野浪漫」役を担っております! ヒーローってすごいですよね! 街を襲う悪者をやっつけて、みんなの平和を守ってくれて!

…あれ? でもヒーローって、悪者相手にパンチしたりビーム出したりしてるけど、これって法律的に大丈夫なのかな? ということで、今回はヒーローと法律について見ていきたいと思います。

パンチやビームと聞いて、「それって暴力じゃないの?」と思う方もいるはず。日本では人に暴力を振るうことは、刑法によって「暴行罪」(怪我をさせてしまったら「傷害罪」)とされています。ということは、もしかしたらヒーローの行為も犯罪…?

しかし、日本の刑法が適用されるには、前提として行為者が「人」であることが必要です。これは「地球人」を意味します。星ごとに秩序も違うと思われますので、別の星の法律まで守らされるのでは、たまったものではありませんからね。

もっとも、星をまたいでよくない行為が繰り返されるような自体になった場合は、宇宙全体を規律する法律も登場するかもしれません。

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さて、ヒーローと一概にいっても、いろいろなタイプのヒーローがいます。

・仮面ライダーのように人間が変身するタイプのヒーロー:人間色が強いので、「人」として刑法が適用されそうです。

・ウルトラマンのようにM78星雲から来たヒーロー:「人」ではなさそうです(M78星雲という地球外から来たウルトラマンがハヤタ隊員に扮していますので、ここでは異星人として扱います)。

ちなみにイバラスターは、人間とヒーローが合体変身するタイプのヒーローであり、判断が難しいです。美星町という星がとても綺麗な所から来た異星人なので、刑法は適用されませんが、悪者をやっつけるときには人間と合体変身をしていますので、地球人の要素も残っています。

ただ、外見は完全に異星人のヒーローなので、合体変身をしているとバレることはないでしょう。そうなると、事実上、刑法は適用されないかもしれません。

もし、刑法が適用されるタイプのヒーローだったとして、ヒーローの行為は刑法に触れるのでしょうか?

「日本の」刑法が適用されるための別の問題として、日本国内で起こったことか、国外であれば日本人が関与していることも必要ですが、ややこしいので、ここでは日本国内に怪獣が現れた場合を想定して、話を進めたいと思います。

ヒーローが怪獣にパンチやビームをしたら、暴行罪になるかどうかから考えてみましょう。暴行罪の対象は「人」であり、地球人を指すものと考えられます。そうなると、怪獣は人ではありませんので、パンチをしても暴行罪とはなりません。

つまり怪獣の正体が肝心になり、以下の場合が考えられます。

・怪獣が人間に飼われている場合:「飼い主」である人に対して器物損壊罪が成立する可能性はあります。ただし怪獣を放っておくと、周りの人々の生命や身体に危険が生じます。それから守るためなら緊急避難となり、処罰されない可能性もあります。

・怪獣が変身させられた人間だった場合:こちらは暴行罪となりそうです。しかし、ヒーローはまさか怪獣が人だとは思わないので、故意ではないといえるため、暴行罪は成立しないと考えられます。

ただし、ヒーローが悪いことをしている人間にパンチをしてしまった場合には、暴行罪となり得ます。

パンチで留めた場合には、悪者がしようとしていたことによっては緊急避難や正当防衛となり、処罰されない可能性もあります。ところが丸腰の人間に対してビームをしてしまった場合には、ヒーローだけ武器を使っていることになりますので、過剰防衛で処罰されてしまうかもしれません。

ヒーローの皆さまは、相手の正体を見定めた戦い方をしてくださいね!

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(取材・文/しらべぇ編集部・阪口 采香 弁護士)